独身女性が住宅ローンを組んで、マンション購入する場合の注意点

カテゴリー:ケーススタディー

最終更新日:2017年5月16日

このページでは、「独身女性が住宅ローンを組んで、マンション購入する場合の注意点」についてご紹介します。今後の人生で、住宅ローンという借金が生活の足を引っ張らないよう、注意点を理解したうえで購入を検討しましょう。あるご相談者の例をあげて、わかりやすくご紹介します。

今回のご相談者

【相談内容】
独身です。大学を卒業してすぐに就職し、働きながら都内で賃貸生活をしています。これまでずっと家賃を支払い続けてきましたが、さすがにもったいないなと思い、マンション購入を考えています。そもそも独身女性でマンション購入は可能なのでしょうか?ちなみに家賃を払うのがやっとで現在貯金はほとんどありません。

“家賃がもったいない”という理由だけでマンション購入を考えているなら、絶対に買うべきではありません

今回のご相談者のようなケースの場合、一番大切なポイントは「結婚についてどう考えているか?」です。 以下の要件をひとつでも満たすのであれば、マンション購入は「アリ」、そうでなければ「ナシ」です。

  1. 結婚の可能性はゼロ。生涯独身を希望している。
  2. 結婚したらすぐにマンションを売却し、ローンが残らない状況を作れる。
  3. 結婚したら購入するマンションで新婚生活をする予定(それを望む人としか結婚しない)。

住宅ローンがおよぼす将来のリスク

独身女性が住宅ローンを組んでマンション購入する場合、最大の注意点は、住宅ローンという借金がおよぼす「将来の生活の制約」です。例えば、今回のご相談者が今すぐ3,000万円のマンションを購入したとします。ほとんど貯金がないので、めいっぱい3,000万円の住宅ローンを借りました(ここでは3,000万円の借入が可能だったとして話しを進めます)。

それから5年後…この女性は結婚することになりました。その時、配偶者との生活はどうなるでしょうか?購入したマンションで新婚生活をスタートできればいいですが、配偶者の労働環境によっては、そもそも購入したマンションに住むことが不可能な場合もあるはずです。

その場合、このマンションを売却するという選択肢が考えられます。しかし、売りたいと言ってもすぐに売れるとはかぎりません。売れるまで毎月の住宅ローン返済は当然続けなければなりません。新婚生活をしながら、いつ売れるかわからないマンションの住宅ローン返済がのしかかります。そんな状態のあなたを救ってくれる優しい男性は現れるでしょうか…?

築年数が経過するたびに、マンションの価値は下がっていきます

仮にマンションがすぐ売れたとしましょう。その場合、マンションを売却したお金で住宅ローンは全額返済できると思いますか? 都内のマンションで一部例外はありますが、原則、マンションは築年数が経過するたびに価値(価格)は下がります。そして多くの場合、住宅ローンの残高が減るスピードよりも、マンション価格が下がるスピードのほうが速いです。

以下のデータは、公益財団法人東日本不動産流通機構が調査した、「中古マンションの築年別平均価格」から転載したものですが、新築から5年ほどで数百万円も価値が下がっているのがわかると思います。


出典:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」(PDF)より転載

参考までに…3,000万円の住宅ローン(35年返済、金利1%の場合)の5年後のローン残高は、約2,640万円です。一方、新築価格3,000万円で購入したマンションは5年後いくらで売れるでしょうか? 仮に新築価格の2割価格が下がったとすると、2,400万円(3,000万円×0.8)です。

この場合、「2,400万円-2,640万円=-240万円」になりますので、マンションを売却した結果手元に残るのは、なんと240万円の借金です。この女性の新婚生活はマイナス240万円からスタートしてしまいます。これは明らかにマイナス要因だと思いませんか?

今回ご紹介した例のように、独身女性が住宅ローンを組んでマンション購入する場合、将来結婚した瞬間に、購入したマンションが負の遺産と化す可能性があります。独身女性のマンション購入を全否定するつもりはありませんが、買うのであれば、将来の生活をしっかりと見据えた購入計画を立てる必要があります。

まとめ

近年、将来の生活に不安を感じた独身女性から相談をいただくケースが増えています。「独身を望んでいるわけではないが、もしこのまま独身だった場合老後の生活はどうなる?」と心配する気持ちはよくわかります。その不安を解消するため、老後の住まいを確保するという目的で“マンション購入”という選択は有効な解決策のひとつであることは間違いありません。

しかし、その選択をするのであれば、結婚したときの対処方法も当然考えておく必要があります。そこをおろそかにしてしまうと、先ほどの女性の例のように、取り返しのつかないことになるかもしれません。

「家賃」と「住宅ローン」は同じ住居費ですが、性質がまったく違います。 仮に毎月の支出額が同額であっても「家賃」は賃料、「住宅ローン」は借金です。借金は返さなければなりません。一生独身であっても結婚したとしても、今後の人生で住宅ローンという借金が生活の足を引っ張らないよう、しっかりとした計画のもと購入を考えましょう。

☆将来の生活をしっかり見据えた購入計画を立てましょう!

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