住宅ローンは年収の何倍借りるのが妥当ですか?
カテゴリー:お悩み相談室
最終更新日:2019年10月4日

このページでは、住宅ローンは年収の何倍借りるのが妥当か知りたい方からの相談について、ファイナンシャルプランナーの岩本先生(プロフィールはこちら)にお答えいただきます。
金利や手数料などは、記事執筆時点の情報です。内容は予告なく変更されますので、最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。
この記事のもくじ
相談内容
住宅ローンは年収の何倍借りるのが妥当ですか?
年齢によって条件は変わります
この質問はよく受けるのですが、実はいつも返答に困っています…。なぜなら、年収だけではいくらの借入が妥当か判断がつかないからです。「いくら借りられるか?」という住宅ローンの借入可能額を年収から計算するのは簡単ですが、それは妥当な額とはまたちがいます。
よく「年収の5倍なら安心」とか「年収の7倍だったら妥当」と言われてはいるのですが、はたして本当でしょうか?私はこの数字の根拠に疑問があります。例えば、「住宅ローンは年収の7倍の借入が妥当」と定義したとすると、以下の条件では2,800万円が妥当な額となります。
Aさん25才男性・年収400万円の場合
400万円×7=2,800万円
でも、よく考えてみるとこの男性はまだ25歳です。4大卒だとしたらまだ社会人3年目です。一般的にこの時点で年収が低いのは当然ですが、35歳になればどうでしょう、年収も上がっているのではないでしょうか?
Aさんがこの時点で2,800万円が限度と認識して住宅計画を進めてしまうのは、マイホームの夢に制限がかかってしまい、もったいない気がします。また、Bさん55歳男性・年収800万円の場合はどうでしょうか?
Bさん55歳男性・年収800万円の場合
800万円×7=5,600万円
5,600万円が妥当な額となりますが、妥当だと思いますか?Bさんが65歳まで働くとして、今から10年で5,600万円を返済するのはハードルが高いような気がします。このように住宅ローンを借りる時の年齢によって条件は変わってきます。
家族構成によっても条件は変わります
また、家族構成によっても条件は変わるはずです。例えば、Cさん家族は子どもが三人、Dさん家族は子どもが一人だったとします。その場合、Cさん家族とDさん家族では教育資金の準備もまったくちがいます。
仮に、一人当たり1,500万円の教育資金を準備するとして、Cさん家族は4,500万円、Dさん家族は1,500万円。これだけの教育資金の準備が必要ですが、なんと差額は3,000万円です。
また、CさんとDさんが同じ年齢、同じ年収だったとしても、子どもの教育資金準備額がこれだけちがうと、住宅ローンの借入額がちがうのは当然です。この教育資金を計算に入れず住宅ローンを借りてしまうと、住宅ローンの返済負担額は同じですが、しわ寄せが子どもの教育資金にいってしまいます。
このお悩みの回答者

- 岩本 貴久
- 一般社団法人日本住宅FP協会 相談役
おうちの買い方相談室名古屋店 代表
FPバンク株式会社 取締役
有限会社東海FPセンター 取締役
お客様が満足のいく家を購入し、思い描く理想の生活を実現すること。それが私の成し遂げたいミッション(使命)です。