住宅ローンの審査でうつ病はバレますか?
カテゴリー:お悩み相談室
最終更新日:2021年5月6日

このページでは、住宅ローンの審査でうつ病はバレるのか知りたい方からの相談について、ファイナンシャルプランナーの岩本先生(プロフィールはこちら)にお答えいただきます。
金利や手数料などは、記事執筆時点の情報です。内容は予告なく変更されますので、最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。
相談内容
うつ病と診断されています。住宅ローンの審査でうつ病はバレますか?
うつ病であることを隠して住宅ローンを借りることは絶対にやめましょう
うつ病であることを告知せず住宅ローンを借りた場合、告知義務違反となり団体信用生命保険が適用されません。万が一亡くなってしまうと住宅ローンはそのまま残るため、その後の生活が困難になります。「ばれるかどうか?」で判断するのではなく、うつ病であることを隠して住宅ローンを借りることは絶対にやめましょう。
一方で、うつ病の人は住宅ローンを借りることは絶対にできないのでしょうか?ほとんどの住宅ローンは融資の条件として「団体信用生命保険」の加入を義務付けています。
その団体信用生命保険の加入の際に、自身の健康状態を正しく告知する必要がありますが、当然、団体信用生命保険を引き受ける保険会社は健康状態の基準を設定しており、その基準を満たさない健康状態の人は、団体信用生命保険に加入することができません。つまり、住宅ローンの審査に落ちてしまうということです。
その基準の中でもうつ病はとてもきびしくしく見られるので、一般的には審査にとおらない可能性が高いです。ただ、絶対に審査にとおらないかというとそうではなく、うつ病の程度によって結果はちがいます。はじめから諦めるのではなく、一度、団体信用生命保険の審査をすることをおすすめします。
審査のポイントは、うつ病と診断された時期、入院の有無、処方されている薬などです。
審査に落ちてしまった場合は、「ワイド団信」を検討しましょう
うつ病が原因で審査に落ちてしまった場合、「ワイド団信」という選択肢を検討することができます。
これは正式名称、「加入条件緩和型割増保険料特約付団体信用生命保険」(銀行により名称が変わることがあります)と呼ばれ、その名の通り、団体信用生命保険に加入するときの条件が緩和され、その変わりに保険料が割高になっているものです。
おおよそ、実際の金利に0.3%上乗せするところが多く、加入年齢は50歳までに制限を設定している銀行が一般的です。普通の団体信用生命保険に加入できなかった場合、このワイド団信を検討してみることをおすすめします。
ただし、ワイド団信であればうつ病でも必ず加入できるかというと、決してそうではありません。ワイド団信を利用しても加入できないケースがありますのでご注意下さい。
ワイド団信でも加入できなかった場合は「フラット35」を検討しましょう
ワイド団信でも加入できなかった場合の選択肢としてあげられるのが「フラット35」です。その理由は、フラット35は任意で団体信用生命保険をはずすことができるからです。
うつ病などの病歴が原因で団体信用生命保険に加入できない場合でも、フラット35で団信をはずせば住宅ローンを借りることが可能になり、かつ結果的に金利を0.2%下げることも実現します(団信に加入しない場合は、借入金利から0.2%引き下げになります)。
しかし、団信に加入しないということは、住宅ローンの返済リスクが残ってしまうので、安易に考えてはいけません。団信をはずすかわりに、民間の生命保険でカバーすることを考えましょう。つまり住宅ローン残高を完済できるだけの生命保険金を準備するということです。
もちろん、民間の生命保険に加入する際にも団信と同様に告知が必要になり、この場合もうつ病であることを原因に加入できない保険がほとんどですが、最近ではうつ病でも割増保険料の負担をすれば加入できるタイプの生命保険も存在します。
そのようなタイプの保険で住宅ローンの返済リスクをカバーすることができれば、安心して住宅ローンを借りることができ、住宅計画を実現することが可能となります。
このお悩みの回答者

- 岩本 貴久
- 一般社団法人日本住宅FP協会 相談役
おうちの買い方相談室名古屋店 代表
FPバンク株式会社 取締役
有限会社東海FPセンター 取締役
お客様が満足のいく家を購入し、思い描く理想の生活を実現すること。それが私の成し遂げたいミッション(使命)です。