住宅ローンを繰上返済するタイミングは?

カテゴリー:お悩み相談室

最終更新日:2019年10月23日

このページでは、住宅ローンを繰上返済するタイミングが知りたい方からの相談について、ファイナンシャルプランナーの岩本先生(プロフィールはこちら)にお答えいただきます。

相談内容

住宅ローンを繰上返済するのに良いタイミングはありますか?

支払利息を節約することが目的なら、タイミングは早いほうがいいですが…

住宅ローンの支払利息を節約することが目的なら、繰上返済のタイミングは早ければ早いほど効果があります。ただし、「住宅ローン減税」を受けている(受ける予定の)場合は注意が必要です。

住宅ローン減税で控除される節税効果は住宅ローン残高によって決まります。そのため、よりたくさんの節税効果を得たい場合は、住宅ローン減税が受けられる当初10年間(あるいは13年間)は、ローン残高が残っていた方が有利です。

つまり、住宅ローンの支払利息を節約する目的で繰上返済をすると、住宅ローン減税による節税効果が薄れるというデメリットが生まれてしまいます

その判断を見極めるポイントは住宅ローンの金利です。住宅ローン減税による節税効果は住宅ローン残高の1%です。例えば、住宅ローン金利が2%だった場合、繰上返済による利息の節約効果2%が住宅ローン減税1%を上回るため、繰上返済による効果の方が大きいと判断できます。逆に住宅ローン金利が1%未満だった場合はその逆の判断となります。

現在の住宅ローンは歴史上もっとも低い水準にあることから、金利が1%を大きく下回る条件の住宅ローンがたくさんあります。その背景からすると、住宅ローン減税が受けられる期間(10年あるいは13年間)は繰上返済をせず、住宅ローン減税の適用が終了した直後に繰上返済をするのが、もっとも効果を発揮できるタイミングと言ってよいでしょう。

住宅ローン減税制度の概要

住宅ローン減税制度の概要

出典:すまい給付金事務局
住宅ローン減税制度の概要

繰上返済をせずゆっくり返済していくのも、良い選択肢のひとつ

一方、別の視点から住宅ローンを見ると、原則、住宅ローンには団体信用生命保険という保険がセットでついています。団体信用生命保険とは、住宅ローンの債務者が返済途中に死亡してしまった場合、住宅ローン残高がなくなる(0円になる)保険で、残された遺族に住宅ローンが残らないような仕組みになっています。

この団体信用生命保険は残っている住宅ローン残高に対しての保障のため、繰上返済を積極的にした場合、住宅ローン残高は減りますが、団体信用生命保険の保障額も減ったことになります

あまり良くない例かもしれませんが、例えば、3,000万円の住宅ローンが残っているタイミングで1,000万円繰上返済をした債務者が死亡してしまった場合、住宅ローン残高は団体信用生命保険によってなくなりますが、手元にあった現金1,000万円は住宅ローン返済にあててしまった後なので、戻ってきません。

もし繰上返済をしていなければ、手元に1,000万円の現金を残したまま、団体信用生命保険により住宅ローン残高をなくすことができるので、残された遺族にとってはこのほうが助かる場合もあります。

このように、家族の生活を守るという視点で見ると、住宅ローンを繰上返済せずにゆっくりと返済していく手段も、良い選択肢のひとつかなと筆者は考えます。

 このお悩みの回答者

岩本貴久
岩本 貴久
一般社団法人日本住宅FP協会 相談役
おうちの買い方相談室名古屋店 代表
FPバンク株式会社 取締役
有限会社東海FPセンター 取締役

お客様が満足のいく家を購入し、思い描く理想の生活を実現すること。それが私の成し遂げたいミッション(使命)です。

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