住宅ローンは、頭金なしでも組めるのか?

カテゴリー:住宅ローン

最終更新日:2017年8月17日

住宅ローンは、頭金なしでも組むことができます。ただし、貯金がまったくないのに、頭金なしで住宅ローンを組もうとしている場合は、十分な注意が必要です。このページでは、頭金なしで住宅ローンを組むメリット、デメリットをわかりやすくご紹介します。

頭金なしで住宅ローンを組むメリット

頭金なしで住宅ローンを組むメリットは、「金利上昇のリスクをさけられる可能性がある」ことです。例えば、あなたが頭金を出す余裕がない状態で4,000万円の住宅購入を検討しているとします。以下の選択肢からどちらかを選ぶとしたら、あなたはどうしますか

① 頭金を出す余裕はないので、4,000万円全額住宅ローンを組む。
② 5年かけて500万円の頭金を貯めてから、3,500万円の住宅ローンを組む。

金利、返済期間は同じ条件で、①、②の利息を計算してみると、頭金を500万円用意したほうが、約92万円(742万円-650万円)お得という結果になりました。

頭金 借入額 金利 返済期間 利息
なし 4,000万円 1.0% 35年 約742万円
500万円 3,500万円 1.0% 35年 約650万円

5年間で500万円の頭金を用意することで、約92万円の利息を節約できるため、パッと見では頭金を用意したほうがお得に思います。しかし、この計算は5年後も金利が変わらないという前提で計算されています。はたして、5年後も今のような低金利が続いているでしょうか?

仮に、5年後に住宅ローン金利が1%上昇して2%になったとします。そうなると、支払利息は約1,370万円まで増えてしまいます。なんと、頭金なしで4,000万円借りた場合よりも、倍近くの利息を支払うことになってしまうんです。

頭金 借入額 金利 返済期間 利息
なし 4,000万円 1.0% 35年 約742万円
500万円 3,500万円 2.0% 35年 約1,370万円

また、500万円の頭金を貯める5年間に発生する、家賃などの住居費を含めると、さらに負担は増えてしまいます。利息をおさえるために頑張って貯金しても、それ以上に費用がかかってしまっては本末転倒です。

「民間金融機関の住宅ローン金利推移」住宅金融支援機構より転載

出典:住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」より転載

上の画像のとおり、住宅ローン金利は過去30年間の推移を見ても低い水準にあります(2017年8月現在)。そのため、これ以上金利が大きく下がる確率は低いですが、反対に上がる余地は十分にあります。今後、住宅ローンの金利がどうなるかは誰にもわからないことですが、現在のような金利が低い状況では、数年かけて頭金を準備するより、頭金なしで住宅ローンを組だほうがメリットがありそうです。

ちなみに、「すでに頭金を出す十分な貯金がある」という人の場合は、住宅ローン控除と繰上返済を利用することで、頭金なしでお得に住宅ローンを組む方法もあります。くわしくは「住宅ローンは、頭金を入れずに多めに借りるほうがお得って本当?」も合わせてご覧ください。

頭金なしで住宅ローンを組むデメリット

頭金を用意できないと、住宅ローンの条件が悪くなることが多いです。何年もかけてコツコツ頭金を用意した人と、無計画に頭金なしで住宅ローンを組もうとしている人では、金融機関からの評価も違ってくるということです(条件が変わらない金融機関もあります)。

例えばフラット35の場合、物件の購入価格に対する頭金(自己資金)の割合が1割以下だと金利が高くなり、以下のように支払う利息が増えてしまいます。

頭金1割以下 頭金1割以上
借入額 4,000万円 4,000万円
返済期間 35年 35年
金利 1.560% 1.120%
利息 約1,200万円 約837万円

楽天銀行が提供するフラット35の、2017年8月現在の金利をもとに計算しています。

このように、頭金を用意できる人にくらべて、住宅ローンの条件が悪くなることが多い、ということを覚えておきましょう(参考→住宅ローンの頭金(自己資金)はいくら必要?平均額は?)。

まとめ

こうしてメリット・デメリットを比較してみると、貯金がなくても頭金なしで住宅ローンを組んでもよさそう、と感じる人もいるかもしれません。ただし、メリット・デメリットだけで簡単に判断しないことが大切です。

大前提として、「そもそも頭金がない状態で住宅ローンを組んでも家計は大丈夫か?」、という問題をクリアしている必要があります。住宅ローンを組でからの10年後、20年後も、無理なく安定して返済していけるかどうかのほうが、メリットやデメリットを考えるよりも重要だからです。

頭金なしでも住宅ローンを組むことはできますが、よりたくさんの負債を抱えるというのも事実です。今組もうとしている住宅ローンが、身の丈にあっているかどうかをしっかりと見極めたうえで、借入を検討するようにしてくださいね。

☆無理なく返済していけるかどうかが重要です!

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